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フランダースの犬の中に絵を描くヒントを模索中。
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ネロはアニメのストーリー中、2度筆が止まります。
1度目は、自分の働いたお金で画用紙と鉛筆を購入した時に
もったいないような気になり、失敗を恐れ描くのを躊躇したためです。
何を描いたら良いか、自分の気持ちもわからなくなってしまいます。
このスランプはアロアの言葉によって解決のきっかけを掴みます。
「パトラッシュを描けば良いに決まっている(次はわたし)」
「紙に向かって悩むのではなく、いつも通りかけっこしたり遊んでいたら自然に描けるはず」

そんなアロアも、レース編み(「丘の上の木の下で」等)で、はじめて自分の手でゼロから1をつくり、物作りをする人の気持ちを考えています。


2度目のスランプはルーベンス展のコンクールの練習として絵を描いている際に、おじいさんがアントワープの街で1人で仕事(八百屋の店番)をしている事を知ったときです。

絵を描く時間をおじいさんに作ってもらっていることに気が引けて、絵を描く気になれず手伝ったり、家事に勤しみます。
その後、過労で倒れてしまったおじいさんの看病をしながら、
減った牛乳運びの仕事のことを気付かれないように、おじいさんの前では絵を描いているふりをしています。(仕事の状況は後に知られることになります)

そして、おじいさんが亡くなったときは最大のスランプです。
この状況下では誰でも絵を描く気にはなれないはずですが、
コンクールの提出期限は迫っています。

落ち込むネロにアロアは思い切って自分で描いたおじいさんの絵を見せます。
ネロの事が大好きなアロアは、彼にとって一番大切な気持ちを節々で思い出させてくれる的確なアドバイザーです。
このことがきっかけでネロは「コンクールの絵として、おじいさんを描きたい」という意思を自分の中から見出し、亡くなった悲しみでぼんやりとしか見えていなかった顔もはっきり思い出すことが出来ました。
(この心境の変化をネロは牧場の夫妻に「おじいさんが帰ってきた」と伝えています。)

絵のテーマとして、おじいさんを描くことを決めたネロですが、なかなか良い構図が思いつかず家の中で悩んでいました。
そんな時、心配してやってきたミッシェルさんに嬉しそうに駆け寄るパトラッシュの姿を目にします。
夕日に照らされたそのシルエットをおじいさんとパトラッシュの日常光景と重ね、描きたい絵の構図がひらめく瞬間が来ました。

ミッシェルさんにすがって泣くことで、死別の悲しみを乗り越えたネロは、気持ちを切り替えおじいさんに最期に買ってもらったコンクール用のパネルについに筆を下すのです。



構図(アイデア)のひらめき、それを絵に表現する気力、労力は平常心が整った状態でないとなかなか難しいものです。
そこに必ずやってくるスランプというもの。
日々生きていく中で、どうすべきか分らなくなったとき、人は結局は自ら抜け出さなきゃなりません。
しかし、解決策は自分だけで探すのではなく、人との交流の中にも大きなヒントがあるように思います。

「心の目で見ないと描けない」
「はじめから人に見せようと思って絵を描き始める人は居ない」
フランダースの犬には、絵を描くことについて色々な名言が出てきます。

AIが精密な絵を生み出せるようになった昨今、
絵を描く人、描きたいと思う心の在り方は、今後よりいっそうに考えていかなければならないのかもしれません。
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プロフィール
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ぽこ
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非公開
自己紹介:
絵を描くことが大好き。
去年フランダースの犬(1975)を視聴したことで主人公ネロの生まれながらの絵描き魂と作品のもつメッセージに魅了される。
Twitterでは伝えきれない部分を書いていきます。
他の世界名作劇場ではペリーヌ物語が好き。
P R
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